お互い様です

DAYS > 日吉若 / 05.02.20 Sun 00:00
テニスコート脇のベンチにて。


「いーまり!隣座ってい?」
「みっちゃん。どぞ?」
「よっっと」
「また大量だね…」
「うんもーすんごい重い!」
「いんや、いいよ。私の仕事だし。
 いまりだって残ってんでしょ、仕事」
「…終わらないね…!」
「アイツ絶対私たちをこき使いすぎだよね」
「全くだよ」


「…で」
「ん?」
「…理由は訊いても良いのかな」
「…何の?」
「しょんぼりの理由」
「……」
「言いたくないなら良いんだけど、さ」
「…そんなんじゃないよ。
 ただちょっとだけ、切なかっただけさー」
「…日吉?」
「うん。
 手、怪我してるじゃない?」
「あー、そうだね」
「体育中に怪我したらしんだけどさ。
 なんか…」
「うん」
「…例えば、私が2年生だったら、
 日吉が怪我したり休んだりしたりしてもさ、
 すぐに分ったのかもしれないのにな、なんて」
「……」
「ガラにもなく思っちゃったわけですよ」
「…そっか」
「そうなの」

「…だってさ、日吉」

「―――!?」(振り返り)
「そうですか」
「なっ…いつの間に!」
「うーん、最初から?」
「みっちゃん…!(意地悪!)(どこで付けたんだそんな知恵!)」

「あ、あのね、日吉。今のは…」
「…少し、驚きました」
「え?」
「貴方でもそんな風に思うのか、と」
「そ、そりゃあ…(ごにょごにょ)(ていうかなんか、居たたまれない…)」
「でも、まぁ」(ベンチを離れつつ)
「…日吉?」

「お互い様ですよ」

「……え?(ど、どうゆう意味…!?)」


===
偶には逆転しないとね。
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